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「ねえ、こんな風に二人が結ばれたら、
 私、キミのこと、これからなんて呼んだらいいのかな?」

ボクの腕の中、白いシーツの敷かれたベッドの上で、生まれたままの姿の彼女はそう言った。何も今、そんなこと、気にしなくていいのに。思わず微笑んでしまう。返事をするかわりに、ボクは彼女の山形産のさくらんぼ(旬の初め)のようなその唇に、そっとキスをする。彼女は目を閉じて、応じてくれた。

手で確かめた彼女の渓谷は、すでにくり広げられたボクのたゆまぬ努力によって、充分に湿り気を帯びている。この様子なら大丈夫のはずだ。きっと上手くいくはずだ。ボクは確信した。この日のために、いままでひそかに学習してきたHのてほどきハウツー本の知識が、性交の成功を確信した。

よし、入れるぞ。
いやっ、ちょっと待て。

コンドーさんを付けないわけには、やっぱりいかないよな。やばいよな。やっぱりやばいよな。しかし、人生発の儀式において、ゴムがあるというのもおかしな話ではないか。ゴムがあっては卒業になるのだろうか。例えソレが0.02ミリのものだとしても、それは本当に卒業になるのだろうか。仮免みたいなものじゃないか。

どうする?
どうしよう?

しっかりしろ、こんなところでモタモタしてどうするんだ。ムードというものは、たったひとつの違和感でなくなってしまうものだって、あの本にも書いてあったじゃないか。いかん。いかんぞ。考えろ。考えるんだ。

「ねえ、ゴムのこと、考えているんでしょ?」

えっ。
上目遣いで、少し前よりも顔を赤くして、彼女は言葉をつづける。

「いいよ、付けなくても。
 私も初めてだから、最初は、本当の男の子を感じてみたいんだ」

ちょっと目をそらす。
それからはたと何かに気がついたように、

「あっ、でもっ、ずっとそのままで進めないでね。
 赤ちゃんができちゃうから。
 適度なタイミングで抜いて、ゴムつけて、最後まで、ね?」

うっ、なんか、すげえ、かわいい。
ドクンッと心臓にでっかいときめきが流れ込んで、少し遅れて下半身もドックンとなった。

「じゃあ、挿れるよ」
「うん、来て」

手探りで入口に押し当てて、天然の潤滑油を感じながら、
ボクは一気に付きたてようと腰に力を入れようとしたとき――。

「ちょっと待って!ひとつ聞いておきたいことがあるの!」

彼女が叫んだ。
「何?」
「名前…」
「えっ」
「名前、知らない人と、エッチしたくないから、へへ」

そういえば、まだ、名乗っていなかった。まさか、ついさっき会って、いきなりこんな関係になるなんて、ボクも想像していなかったからな。だからボクは名乗ったんだ。

「九十九、九十九清十郎だよ」



   “それは、なかなか面白い名じゃな”



ん、誰の声だ?

そして、ボクは因果にとらわれることになってしまった。

100の物語を集めなければならない、怪異蒐集の奴隷に。